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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上春樹
text by uematsu

Amazonでこの小説を買おうとして驚いた。なんだかもう、酷評の嵐。なかに「読もうと思ったけど読めずに半分で読むのをやめて、母にあげた。本当に駄作!」みたいなレビューもある。いやもう、それ読んでないじゃない!と思うのだけれど、どうしようもないくらいに、下劣な言葉が山積みされていて、目を覆いたくなる。

というわけで、読んでみた。おもしろかった。村上春樹作品として、どういう位置づけなのか、クオリティが高いのか、というのは僕にはよくわからない。村上春樹作品のほとんどは読んでいいるけれど、それほど詳しいわけではない。でも、この小説を読んでいる時に、確かに僕は心動かされたし、胸に迫るものがあった。

名前に色を有する友人たち。そして、名前に色を持たない自分。それはメタファーではあるのだが、次第に主人公の多崎つくる自身の人格形成にも大きく影響してくる。なんの色も持たない自分は前向きに人生を送っていけるのかどうか。送っていいのかどうか。そんないつもの、控えめだけれど、決して生きることを諦めない主人公が、この作品でも時には気弱に、時には粘り腰で歩き続ける。

しかし、村上春樹作品に登場する男たちはいつも不思議な粘りを見せる。いったん、立ち止まったとしても、ビールを飲み、サンドウィッチを食べたら、すっと立ち上がりまた歩き出す。その独特の間合いがとてもおもしろい。
| 小説 | 15:36 | comments(0) | - | pookmark |
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